健康コラム

ヨーグルトの効能と歴史

皆様は、日頃より健康のために様々なことに気を付けていらっしゃることと存じます。 日々の食事が体を作るといっても過言でありません。健康にいい食事を意識的に摂り入れることは、常にお考えになられてると思います。ここ十勝は牛乳の一大生産地ですが、その牛乳を使った「ヨーグルト」の歴史や効果についてお伝えできれば、と思います。

ヨーグルトとは

ヨーグルトの裏面をよく見ると「発酵乳」と表記されています。乳や乳酸菌を酵母の力を使って発酵させたものになります。日本でもヨーグルトの基準として厚生労働省の乳等省令によると「発酵乳」と位置づけられています。

そもそもどうしてヨーグルトが固まるのかというと、乳に含まれている乳糖を分解して作り出します。乳のなかに含まれている“カゼイン”は酸によって固まる性質があるため、乳酸にガゼインを入れて固めたものがヨーグルトになります。

一般的な「プレーンヨーグルト」は、乳酸菌を発酵させただけの比較的シンプルなものになり、砂糖などは一切加えていません。乳を発酵させて寒天やゼラチンなど加えて固めたものを「ハードヨーグルト」としています。

甘さで整えデザート感覚で楽しめるようにしたものが「ソフトヨーグルト」です。また液状の飲むタイプの「ドリンクヨーグルト」など、種類もさまざまなものがあります。

ヨーグルトの歴史とは

発酵乳の歴史についてはとても古く、紀元前数千年前の時代から存在していました。牧畜を行うようになり、牛はもちろんヤギや羊、馬、ラクダなどの乳を使って発酵乳を作り飲んでいたといわれています。

日本に伝わったのは奈良時代ですが、当時は発酵乳の文化は定着することはありませんでした。明治時代に入ってから本格的に「凝乳」が販売されます。大正時代に入ると、ヨーグルトの名称が使われるようになり、より身近なものへと変わっていきました。

日本ではじめてヨーグルトが誕生したのは1971年「明治プレーンヨーグルト」になり、その後次々にメーカー各社から新しいヨーグルトが誕生していきました。

ヨーグルトの名称は、1900年の初め頃にロシアの微生物学者である“メチニコフ”がブルガリアを訪れたときに、長寿の人が多いことに気付きます。研究を進めてみると、ブルガリアではヨーグルトと呼ばれる発酵乳が多く食べられていたことがわかります。

そこでメチニコフは、ヨーグルトは腸内環境を整え悪い菌の活動を抑制することを発見したのです。当時「ヨーグルト不老不死説」などもあり、世界中で愛される食べ物として広まっていきました。もしその研究が行われていなかったとしたら、ヨーグルトが別の名前になっていたのかもしれませんね。

ヨーグルトにはどんな栄養が期待できるの?

ヨーグルトが健康にいいのは誰もが知っていることでもあります。もともと栄養バランスに優れている発酵乳に乳酸菌をプラスしたことで、健康を促進させる効果が期待できます。

栄養1:乳糖

牛乳に含まれている糖質のことをいいます。別名“ラクトース”は砂糖のような甘みがあるわけではなく、体のエネルギーの源になる成分です。牛乳の成分であるカルシウムや鉄の吸収を助けること、整腸作用などが期待できます。牛乳の糖質はほぼ100%が乳糖になります。発酵乳では乳酸菌の働きによって、約2割~4割が分解されています。

栄養2:タンパク質

ヨーグルトのなかに3.6%含まれています。近頃は効率よく体内にタンパク質を取り込む“高タンパク質ヨーグルト”なども発売されています。タンパク質の新しい基準である「DIAAS」を知っていますか?

栄養価の高い食べ物も体に吸収されないと意味がありません。体内の利用効率を突き詰めたものがDIAASになり、アミノ酸の組成だけでなくどのぐらいで消化され利用しやすいのかを総合的に判断しています。発酵乳では牛乳よりも消化吸収しやすいペプチドやアミノ酸として分解されています。

栄養3:カルシウム

牛乳のなかには豊富なカルシウムが含まれています。発酵乳では100gあたり120mgもカルシウムが含まれています。牛乳からのカルシウムの吸収率は4割前後ですが、乳酸とくっついた“乳酸カルシウム”になるので、腸からより吸収しやすい形になっています。

カルシウムには新しい骨や歯の細胞を就くたり、神経やホルモンの働きに作用するなど姓名の維持にも大切な働きをしています。1日800mg以上はとり、骨の維持や予防に取り組む必要があります。

栄養4:ビタミン

ヨーグルトのなかにはビタミンAやB(1.2)など体の機能の潤滑油的な役割をしているビタミンも、しっかりと含まれています。日々の生活のなかでもビタミンが不足してしまいがちなので、ヨーグルトのなかに含まれているとバランス良く摂取できます。

最後に

ヨーグルトは美味しく健康を維持するためにも欠かせない食材です。腸内環境を整えるためにも大切なのは、毎日継続することです。食べやすいヨーグルトを選んで免疫力を高めるためにも食べ続けるようにしていただければと存じます。機会があればさらに詳しくお伝えできればと存じます。

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新井病院(北海道十勝)

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