機能性ディスペプシア

機能性ディスペプシアとは、胃痛や胃もたれなどの自覚症状・腹部症状があるにもかかわらず、胃がんや胃潰瘍などの病気ではない場合に診断されます。症状が強く出る方の場合は、生活の質『QOL』を大きく損なうほか、他人には理解されにくく悩まれる方も多いのが実情ではないでしょうか。

なお、治療はがんなどの重篤な病気でないことを内視鏡検査などで確認してから行うべきです。FD(Functional Dyspepsia)とも呼ばれます。

機能性ディスペプシアの定義

症状の原因となる器質的、全身性、代謝性疾患がないのにもかかわらず、慢性的に心窩部痛や胃もたれなどの心窩部を中心とする腹部症状を呈する疾患(消化器病学会より)

機能性ディスペプシアの症状

腹部症状。患者様により主訴の表現が色々あり難しいのですが、具体的には、

  • 食後のもたれ感
  • 早期飽満感(すぐにお腹がいっぱいになり食べれなくなる)
  • 心窩部痛(みぞおちの痛み)
  • 心窩部灼熱感(みぞおちの焼けるような感じ)

などです。

機能性ディスペプシアの原因(と考えられるもの)

原因は下記の1~8などが考えられますが、いろいろな要因が複雑に作用しているとも考えられています。特に1~4を重視しています。

  1. 胃および十二指腸の運動不調
  2. 胃および十二指腸の知覚過敏
  3. 心理的要因
  4. 胃酸による刺激
  5. ピロリ菌の感染
  6. 遺伝的要因
  7. 感染性胃腸炎
  8. 生活習慣の乱れ

1.胃および十二指腸の運動不調

食物を胃から十二指腸へ送る『胃排出』、食物を貯留する際に胃が拡張する『胃適応性弛緩』が不調になることが考えられます。胃排出は遅くても早過ぎても症状が出る可能性があり、胃適応性弛緩が不調だとすぐにお腹がいっぱいになる早期飽満感に関係がある可能性があります。

2. 胃および十二指腸の知覚過敏

知覚過敏とは少ない刺激でも症状が出ることです。健康な方より軽い胃の拡張刺激で症状が出たり、十二指腸が胃酸や脂肪に対し知覚過敏となり出る可能性があります。

3.心理的要因

脳腸相関といい、脳と消化管は患者様が考えられている以上に関連しています。不安・抑うつなどが、胃や腸の運動や感覚に変化を与える可能性があります。

4.胃酸による刺激

胃酸が胃や十二指腸の粘膜を刺激し、運動や知覚に影響を与える可能性があります。

5.ピロリ菌の感染

ピロリ菌の除菌により症状が軽快することがあります。

6.遺伝的要因

生まれつきかかりやすい方がいます。

7.感染性胃腸炎

サルモネラなどの感染性胃腸炎の既往歴がある方に症状が出やすくなる可能性があります。

8.生活習慣の乱れ

飲酒、喫煙、不眠などの生活習慣の乱れが原因となることがあり、生活習慣の改善で症状が軽快する可能性があります。

機能性ディスペプシアの診断

機能性ディスペプシアの診断は、

  • 胃の痛みや胃もたれなどの自覚症状・腹部症状(前述)があること
  • 胃がんや胃潰瘍などの病気が内視鏡検査などで見つからないこと

によって行います。実際には、腹部症状がいつごろからどの程度起あるのか、症状と食事に関係はあるか、体重減少はあるか、などを考慮。胃がん、胃潰瘍・十二指腸潰瘍などの重篤な疾患ではないことを確認するため、胃内視鏡検査(胃カメラ)、必要に応じピロリ菌、血液、超音波、腹部CT検査などを行い診断します。

機能性ディスペプシアの治療

機能性ディスペプシアの治療は、

  1. 胃の働きの異常を感じ症状が出る ⇒ 胃の異常を改善
  2. 胃の働きを敏感に感じ症状が出る ⇒ 敏感になっているのを改善

する治療を行うのが一般的ですが、国内外からの改善報告が多くある、

①の胃の働きの異常を改善するのが第一選択となります。

① 胃の働きの異常を改善するには、

  • 酸分泌抑制薬~胃酸の分泌を抑える
  • 消化管運動機能改善薬~食物の排出をスムーズにする

などの投薬を行い経過観察することが多いです。薬にも種類があり、患者様により効き目の違いがあり、いろいろな組み合わせが考えられ、慎重に見極めながら症状の軽快を図ります。

なお、②の敏感になっているのを改善するには、脳が過敏になっている状態を抑えるために、抗不安薬や抑うつ薬、漢方薬の使用も考えられますが、現時点では十分な裏付けがそろっておらず、日本では第二選択肢として考えられています。

また、ピロリ菌への感染が確認された場合には、除菌を行います。

非常に治りにくい病気であり、症状解消後も再発の割合も一定程度(20%前後)あると考えられており、患者様と信頼関係を築き様々な薬の組み合わせを考え、症状の改善を図りたいと存じます。

どのくらいの人がかかるの?

健診では、受診者のうち10~20%前後と考えられていますが、腹部症状の主訴があり病院に受診された人では45~50%前後が該当するのでは、と考えられており、FDはとてもありふれた病気だと思われます。症状の重症度によっては、患者様の生活の質に大きく影響することから、治療することが望まれます。また、軽症ではあっても症状の多くはより重篤な病気であるがんなどとも似ており、またいつもの痛みかと放置している間に、がんが進行してしまう可能性もあり、本格的な治療や定期的な検診を心がけていただきたく存じます。

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