健康コラム
パンダは草ばっかり
Q.パンダはササ・タケ(食物繊維)ばかり食べて、健康的な食生活ですね?
A.ササ・タケは食べるものがなくて食べるようになったようです。
人と同じようにおなかも時々痛くなり、まるくなっているようです。
パンダ。
ジャイアントパンダは、ササ、タケばかり、食物繊維をいっぱい食べて、消化の良くない栄養価の高くない食物繊維だけ食べているイメージがあり、人間だったら、おなかにとてもいい食生活を送られているようにおもわれます。ただし、野生ですと、タケノコや小動物も状況によっては食べているようです。
ジャイアントパンダは、クマ科の動物ですので、本来は肉食性のつよい雑食動物の消化機能を持ったうえで、栄養価の低いササ、タケを選んで食べていることになります。
パンダの消化管の長さは体長の4倍程度と草食動物としては短くなっており(ちなみに人間の消化管の長さは9~10m前後)、どちらかというと、肉食動物に近い消化管を持っていると考えられます。もしかしたら、ストレスフルな食生活なのかもしれません。
これは、ジャイアントパンダが、敵対する動物との競争を避けて山岳地帯に落ち着いてそこで1年中採食が可能だったササ・タケを主食としたため、肉食をやめたようです。他には、味覚が変わった、という説もあるようです。
では、消化管の中に食物繊維を有効に消化する仕組みが備わっているのでしょうか?これについては、詳しいことはわかっていませんが、消化管自体は肉食動物に近いものの、腸内の細菌群は特段消化にいいものはないようです。
したがって、起きている時間中、栄養価が低く消化吸収の悪いササ・タケばかりを食べなくてはならないようです。
ササ・タケは植物の中でも繊維質が固い植物です。パンダは強靭なあごでかみ砕いて食べているようですが、それでも固いですので、腸の中では、内壁が傷つき修復されるといった新陳代謝が常に行われていて、その都度食物と一緒に排出されているようですが、採食量が減ったりした場合に、腹痛を起こすようです。
おなかが痛くなったパンダは、おなかを抱えて丸まって動かなくなり、2~3日で回復することもあれば、繰り返す場合もありますが、腸粘膜といわれる腸の内壁だけの便を排せつすると、普通の動きに戻るようです。
パンダではないので、本当のところよくわかりませんが、ササやタケはもともと固いうえに、これが腸を傷つけて腹痛を起こすわけですから、おそらく相当痛いはずです。いつもかわいらしい姿しか見せてくれませんが、陰に隠れて毎月のように痛い思いをして丸くなっているのですね。
(参考:上野動物園、アドベンチャーワールド)