よくある質問 Q&A
Q コレステロールと中性脂肪はどうちがうの?
A.中性脂肪は、肝臓やほかの内臓、皮下組織に蓄積します。コレステロール、特にLDLコレステロールは、血管内に滞留し過剰になったら血管内壁に蓄積します。脂肪は血管内壁には蓄積しないという違いがあります。また、引き起こす病気も違います。
中性脂肪
中性脂肪は、肝臓、内臓、皮下組織に蓄積した後、必要になった時には栄養になるため分解されますが、過剰なまま推移すると、蓄積が進み脂肪肝をはじめとしたメタボリックシンドロームを引き起こすことになります。
中性脂肪を減らすには、食事制限と運動が効果的です。動物由来の食べ物、脂肪の少ない食事を志向されるほか、過剰なカロリーを摂取しない、カロリー、脂肪を消費する運動が効果的です。
さらに、過度な飲酒や夜寝る直前の食事は、エネルギーとして消費されにくく脂肪を増やすことになりますので、ご注意下さい。
コレステロール
一方、コレステロールは、過剰な状態が続くと、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)が、血管内壁に蓄積するようになります。HDLコレステロール(善玉コレステロール)が、血管内壁に入り込んだ悪玉コレステロールを回収するのですが、悪玉コレステロールが過剰な状態が継続すると、血管内壁にどうしても蓄積してしまいます。
どうしようもなくなると、今度はマクロファージと呼ばれる補食細胞が悪玉コレステロールを外敵とて同様に補食します。小さいうちはいいのかもしれませんが、大きくなると破裂します。すると血管内壁に傷が付き、この傷を修復するために血小板が集まってきてかさぶたを形成し動脈硬化が進行します。
コレステロールを下げるには、コレステロールを多く含む動物性脂肪や卵の摂取を控えること、とかつては考えられていましたが、それだけでは不十分なことがわかってきました。
コレステロールは、小腸から吸収されるものと、肝臓で作られるものがあり、体内で生成されるもの比重の方が高いためです(体内生成が7~8割、体外由来が1~2割ではないかと考えられています)。なお、体内で生成されるコレステロールは、食物として摂取したお肉などを消化する胆汁として消化管に放出されるために作られます。
したがって、
- 食品として摂取する量を減らす
- 肝臓での生成を減らす
- 消化管への放出を増やす
- 小腸からの吸収を減らす
- 体外への排出を増やす
ことが大切です。
服薬が手っ取り早いのですが、食事療法や生活様式による改善としては
- コレステロールを多く含む動物性食品、特に卵、内臓類の摂取抑制
- 消化管から放出されたコレステロールを吸着し、腸で吸収させず体外排出を促す水溶性食物繊維の摂取励行
- コレステロールを抑制する効果のあるタウリンを含む食品の摂取励行
- 肝臓でのコレステロール生成にかかわるトランス脂肪酸、飽和脂肪酸の摂取抑制
- 不飽和脂肪酸の摂取励行
- 血管内壁を刺激・損傷する働きのあるストレスホルモンの分泌抑制(ストレスを軽減する生活様式の志向)
などが考えられます。