潰瘍性大腸炎
潰瘍(かいよう)性大腸炎は、専門的にはUCとも呼ばれ、大腸の内部にびらんや潰瘍が発生する病気です。その原因は特定されていませんが、食生活の乱れや生活習慣の悪化のほか、遺伝的な要因も認められています。症状としては大腸の内部に様々な異変が起こるため、軟便や下痢などが長期にわたり続くほか、下血を伴うこともあるため注意をしなければなりません。
潰瘍性大腸炎の診断は、基本的には問診が中心となり、便などの状態のほか腹痛の度合いやその他の症状等を総合的に判断することが少なくありませんが、ほかの要因(がんなど)の可能性を排除するためにも内視鏡検査による診断をお勧めします。また下血を伴う下痢の場合は感染症の恐れもあるため、病理検査により詳細な判断を行うほか、大腸粘膜の1部を採取し、詳細な病理検査を行って最終的な診断を行うことになります。
治療は、原則的には大腸の粘膜を正常な状態に戻す効果のある薬剤を使用することが一般的です。しかし薬剤の効果がない場合や、症状が悪化している場合には外科的な手術を行い、悪化した大腸の1部または全部を摘出することもあります。